香りの散歩道


母の日

墨絵・朝野泰昌
5月11日の「母の日」から、部屋にカーネーションが飾ってあるお宅も多いことでしょう。

母の日だけでなく、親しみやすい花として人気があるカーネーション。
華やかさと凛とした雰囲気をあわせ持つ、甘くてちょっとスパイシーな香りも魅力ですね。

カーネーションは、その昔、「麝香撫子(ジャコウナデシコ)」と呼ばれていました。
麝香は、独特の香りがする動物性の香料の名前で、ムスクという呼び名のほうが分かりやすいかもしれません。

カーネーションはナデシコの仲間ですから、麝香のような強い香りがするナデシコの花、というイメージだったのでしょう。

ヨーロッパでは、スパイスのクローブの香りに似ているといわれ、古くから香水の原料にも使われています。
また、カーネーションの香りには、お酒に酔うのを防ぐ効果があると信じられていたとか。
16世紀のイギリスの詩人が、カーネーションでつくった冠(かんむり)を頭にのせて、お酒を飲んでいたという逸話も語り継がれています。

「冠の花」という意味の「コロネーション・フラワー」が転じて、カーネーションという名前になった・・・という説もあるそうです。
もしもそれが本当なら、酒好きな人が集まる宴会の席は、さぞかし華やかだったことでしょう。

お宅のカーネーションは、どんな香りがしますか。
お酒を飲むときには、そばに飾ってみてはいかがでしょう。
ただし、効果のほどは分かりませんので、お酒はほどほどにお楽しみくださいね。


*毎週水曜日・FM山陰.他で放送中  ↓mp3です。 wmp等でお聞き下さい。


『朝野家・香りの散歩道』は朝野家提供で、

毎週水曜日FM山陰(16:55~17:00)放送、日本海新聞に掲載されます。



香りの散歩道TOPへ
 /  TOPへ  / 歳時記へ